耐震等級の具体的な基準はご存知ですか?耐震等級の判断基準を松戸市の建築士事務所が解説致します。
こんにちは、テンダーハウスです。
皆さま”耐震等級”という言葉を聞いたことはありませんか?
耐震等級についてご存知の方は、新築住宅を建てる際に気になるのではないでしょうか?
また、ご存知ない方は耐震等級って何?必要なの?と疑問に思われるかもしれません。
そこで今回は、耐震性を表す指標である耐震等級について解説致します。
▽耐震等級とは
地震の力の作用がどの程度の大きさになるまで、柱や梁と言った構造躯体が傷を受けたり
壊れたりしないかを【等級】で示す判断基準の事を耐震等級と言います。
耐震等級は2000年施行の【住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)】で定められた
【住宅性能表示制度】に基づく評価基準で審査されます。
耐震等級は、建物の耐震性に応じて3つのランクに分けられています。
数字が大きければ大きい程耐震性が高いと評価され
1より2、また2より3の方が優れており、等級3が最高等級となります。
※住宅性能表示制度とは、法律に基づき住宅の性能を評価し表示する為の基準や手続きが定められた制度の事です。
新築住宅における性能の表示項目には、見た目では判断しにくい10分野33項目の評価基準が設けられており
その中に”地震に対する強さ”という分野があります。
具体的には倒壊防止と損傷防止に分けて耐震等級が表示されます。
この住宅性能表示制度は【申請】を行う事で利用できます。
評価方法基準に従って住宅の性能評価が行われ
その結果が【住宅性能評価書】として交付される仕組みになっています。
▽耐震等級の調べ方
既に建築されている建物の耐震等級を調べたい場合は、住宅性能評価書で確認する事が可能です。
住宅性能評価書は、新築を建てる時に作成するのが一般的ですが
中古住宅によっては作成していない場合もありますので、評価書の有無は不動産会社に確認しましょう。
また、マンションの耐震性能を知りたい場合も、不動産会社に確認してみると良いですよ。
住宅性能表示制度を受けているマンションなら、耐震性能を知る事が可能なので、購入の参考になります。
▽耐震等級の3つの区分
🏠耐震等級1
建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たすものです。
震度6~7の地震にも倒壊、崩壊しない耐震性があります。
直ぐに倒壊や崩壊はしないものの、その後大規模な修繕や住み替えが必要になると想定されます。
🏠耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の耐震性能がある事を示しています。
震度6~7の地震にも倒壊、崩壊しない耐震性があり、その後も一部の補修を行えば生活できる可能性が高いです。
地震や台風と言った災害時に避難場所となれるような学校や体育館
病院などは耐震等級2以上が求められます。
🏠耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の耐震性能がある事を示しています。
震度6~7の地震にも倒壊、崩壊しない耐震性があります。
またその後も、一部の軽微な修繕のみで暮らせると想定されており、高い耐震性を備えている事が特徴です。
警察署や消防署などは復興の重要な拠点となる為
大きな地震が起こったとしても耐えられるよう
構造体は”Ⅰ類””Ⅱ類””Ⅲ類”という形で耐震等級3レベルを満たしているケースが多いです。
🏠耐震等級3と耐震等級3相当の違い
耐震等級3相当とは、国土交通省に登録のある住宅性能評価機関による住宅性能評価を受けてはいませんが
耐震等級3と同等の耐震性がある設計・施工を行っている、という表記になります。
しかし、表記には明確な規則や指針がないので注意してください。
▽耐震性が決まるポイント
🏠建物を軽くする
建物は重たい方が地震に強いのでは?と思う方もいらっしゃいますが、実は違います。
建物が重たいと地震の際に揺れが大きくなってしまい、建物へのダメージが大きくなります。
対して建物が軽ければ、地震が起きても揺れ幅が小さくなる為
地震の揺れによる影響を受けにくくなります。
その為、軽量な木造住宅はRC造や鉄骨造よりも揺れにくく耐震性能を強化しやすいと言われています。
※瓦などの重い屋根材を使用するよりも、スレートなどの軽い屋根材の方が有効です。
🏠耐力壁を増やす
地震や台風などで受ける水平の方向の力に抵抗する壁の事を、耐力壁と言います。
耐力壁は通常の壁とは違い、筋交いや構造用面材などを入れて強度を高めています。
この耐力壁が多ければ耐震性は高まりますが
無計画に設置するのではなくバランスを考慮した配置が重要になります。
🏠床の耐震性を上げる
床も建物全体の耐震性能を高めるポイントの1つです。
耐震等級2以上になると、床の強度についても検討します。
壁が頑丈でも土台である床が破損・崩壊してしまえば、地震の揺れには耐えられません。
床に耐震性能があれば、耐力壁が受けた揺れを受け流せる為、ダメージを抑えられます。
▽耐震等級は任意で受ける指標
耐震等級1は建築基準法で定められている最低限基準の為、認定を受ける必要はありません。
しかし、耐震等級2や3は、住宅性能評価機関という専門機関で行われる審査に合格する事で認定されます。
耐震等級は、性能評価表示制度として2000年(平成12年)に制定されたものなので
2000年以前に建てられた住宅には耐震等級の評価書がありません。
また、住宅性能表示制度自体が義務付けられているものではなく
任意で評価を受け評価書を発行してもらうものです。
▽耐震等級が高い家を建てるメリット・デメリット
🏠メリット
・地震保険料が安くなる
地震保険には”耐震等級割引”というものがあります。
耐震等級のランクによって保険料が割り引かれるので、等級が高くなる程割引率も上がります。
🏠デメリット
・希望通りの間取りにできない場合がある
耐震性を重視した場合、壁を増やしたり、柱や梁が太くなったりと制約が多くなり
希望通りの間取りにできないケースもあります。
▽構造計算の方法
🏠注文住宅の場合
注文住宅を建てる場合、耐震等級をどのクラスにするのか施主様が自由に希望する事ができます。
耐震等級についての希望がある場合は、最初にしっかりと伝えておきましょう。
何も希望を出さない場合は、工務店やハウスメーカーが独自に定めている基準で
設計・施工される場合が多いです。
自分が思っていた耐震等級よりも低かった…と後悔しない為にも
事前に耐震等級の高い家にしたいと伝える事が大切です。
🏠建売住宅の場合
住宅性能表示制度は評価書の取得を義務付けられるものではなく
あくまでも任意なので評価を受けていない建物もあり、耐震等級が分からない場合もあります。
耐震等級が分からない時は、築年数などをもとに耐震性をチェックしましょう。
新耐震基準は1981年6月1日に定められているので
これ以降に建てられた建物は少なくとも耐震等級1の強度がある事になります。
※その際、注意していただく事は竣工日や引渡日の日付ではなく
確認済証の日付を確認するようにして下さい。
▽まとめ
いかがでしょうか?
耐震等級とは、地震への耐震性を表す指標です。
また、等級が高い程耐震性も高くなります。
より安心な生活を送るのであれば最高等級の耐震等級3の住宅を選びましょう。
新築住宅を建築する際には、どのレベルの耐震等級が必要か
または等級認定を受ける必要があるかどうかを考えて建てられると良いですね。
テンダーハウスでは、お客様のライフスタイルやご希望に沿って設計・施工を承っております。
耐震等級の高い住宅を建てたい、などのご希望がありましたら
お気軽に松戸市の建築士事務所 テンダーハウスまでご相談ください。