軟弱地盤に住宅を建築する際に不可欠な地盤改良工事について松戸市の建築士事務所が解説致します。
こんにちは、テンダーハウスです。
現代では建物の耐震化が求められていますが
土台となる地盤の強さも建物を建てる際には当然重要です。
今回は、地盤改良工事はどのような工事なのか、種類、
地盤改良工事が必要な理由や必要な土地の特徴について解説致します。
🏗地盤改良工事とは
新築住宅を建築する際、どれだけ耐震性の高い丈夫な家を建てようとしても
建物を支える地盤が弱ければ、実際に地震が発生すると揺れて建物に歪みが生じたり
最悪の場合には土地が液状化して建物が傾いてしまう場合があります。
そのような事が起きないよう、住宅を建てる前に地盤調査を行い
地盤が軟弱な場合は必要に応じて地盤改良工事が必要になります。
🏗地盤改良工事が必要な土地
先述したように、住宅を建てる際は事前に地盤調査を行います。
その結果”地盤が弱い”と判断されれば地盤改良工事が必要です。
地盤改良工事が必要な土地は大きく分けて
”建築予定地の周辺エリアが軟弱地盤である土地”と
”地盤調査の結果、地盤改良工事の必要有りと判断された土地”の2種類になります。
地盤調査は2000年の建築基準法の改正及び2009年の瑕疵担保履行法の履行に伴って
法律として義務付けられています。
そして地盤改良工事の必要有りと判断された場合は
調査結果をもとに適切な地盤改良工事の工法を選ぶ事になります。
🏗地盤調査の種類
最も一般的なのは【スクリューウエイト貫入試験】といい
一戸建ての建築前や土地の売却前に良く用いられます。
スクリューウエイト貫入試験は、スクリューポイント(円錐形をねじって矢尻のようにした物)を
ロッド(鉄の棒)の先端に取り付け、調査ポイントに垂直に突き立てます。
クランプに円筒形の重りを段階的に載せ、ロッドが貫入するか観察し
貫入しない場合はハンドルを回転させ先端のスクリューポイントで土を掘進しながら
強制的にロッドを25㎝貫入させ、その時にハンドルを何回転させたかを記録します。
規定の深度(10m)までの貫入が記録出来たら測定を終了し、ロッドを引き抜きます。
調査は1か所だけ行えばいい、というわけではなく、一般的には敷地の四隅+中央の計5か所で実施します。
大規模な建造物やL字型・コの字型といった複雑な形状の建物の場合は
それに応じて調査ポイントを増やします。
更に支持層が傾斜になっている場合や、1か所だけ大きくデータが異なる場合
障害物があって貫入できないポイントがある場合などは追加調査が必要です。
※マンションや大型ビル、3階建て以上の鉄筋コンクリート造の建物を建てる場合には
【ボーリング標準貫入試験】を行うのが一般的です。
🏗地盤改良工事の種類
○表層改良工法
軟弱地盤が深度2m以浅の場合に土とセメントを混ぜ合わせて地盤を強化する工法です。
施工方法は、水と固化材を混合する【スラリー撹拌方式】と
固化材そのものを使用する【粉体撹拌方式】の2種類があります。
深さ2m以浅の軟弱層の土を掘り、強固材(セメント系固化材)と土を混ぜ合わせたもので穴を埋めます。
撹拌した後に転圧して、十分に締め固めて強度を高めると共に均等化します。
その下は硬い地盤になっている事が前提です。
●メリット
原則として原地盤を除去せずに改良する工法の為
作業効率が良く、工期が短いので経済的であると言えます。
また、地中にコンクリートや石など硬い鉱物が混入していても
問題なく施工できる点も特徴です。
●注意点
工法の特徴から、地下水位が地盤改良したい軟弱層にある場合や
急な勾配のある土地では実施が困難な工法です。
粉体撹拌方式をバックホーで施工する場合には
地形条件にも柔軟に対応する事ができますが
風が強い時など、粉状の固化材が飛散しやすいので注意が必要です。
近隣に影響を及ぼす恐れがある場合には
低発塵型固化材を使用して飛散量を低減しましょう。
容易に見える表層改良工法ですが
実績を積んでいないと仕上がりや強度に影響する為、気を付けましょう。
○柱状改良工法
軟弱地盤が深度2m~8mまでの場合に
セメント系固化材を水と混ぜて地盤と撹拌する事で、柱状型に地盤を強化する工法です。
柱状改良体は一定間隔で支持層まで打ち込みます。
施工方法は、撹拌装置をトッドの先端に取り付け
低圧ポンプを用いてセメントミルク(セメントと水を混ぜたもの)を撹拌装置に送ります。
撹拌装置の先端からセメントミルクを注入しながら地盤と混合撹拌を行い、掘削していきます。
その間、撹拌装置の深度、回転数、セメントミルクの流量は専用機器によって常に管理されています。
所定の深さまで到達した後、撹拌しながら引き上げ全体的に再撹拌を行い
最後に杭頭部分の再撹拌が終了したら、固化するまで養生をします。
●メリット
表層改良工法と同じくリーズナブルな費用で施工する事ができます。
また、掘削翼や撹拌翼の大きさや形状の違いによって
軸径や品質が異なる杭で補強する事ができるので
杭の本数や間隔など補強の度合いを調整できます。
●注意点
多くの施工業者で取り扱われているので、施工業者の技術や経験の差が出やすいです。
費用のみならず、施工技術や実績なども考慮して志向業者を選択しましょう。
特定の地盤(有機質土)など、土の性質によっては
セメントミルクが固まりにくい事があります。
また、施工後に地盤が現状に戻る事が非常に難しい事や
杭が地中に残ってしまう事により、土地の売買価格が下がる原因になる事もあり
将来的に土地を売却する事を視野に入れている場合は
杭の撤去費用も必要になる点に注意しなくてはなりません。
○小口径鋼管杭工法
軟弱地盤が2m~30mまでの場合に地盤の固い支持層に達するまで
金属製の鋼管を掘り下げて建物を支える工法です。
※これ以上深い場合は【タイガーパイル工法】なども検討する事になります。
施工方法は、まず地盤補強材となる鋼管の先端部に
鋼管よりも外径が大きく螺旋状になっている刃(螺旋翼)を取り付けて鋼管の頭部を回転させます。
これにより螺旋翼が地盤に潜りこんでいきます。
この時、地上には土がほとんど排出されない状態で貫入されるので
排出土の処理費用が発生しません。
鋼管の長さが足りない場合は、鋼管の頭部に次の鋼管を溶接によって接続します。
これを繰り返して、先端部が支持層に達するまで鋼管を貫入させ
支持層に達したら所定の高さで切断して完了です。
本工法は、土質が悪い場合(粘土質や砂質地盤)や
支持層が深く表層改良工法や柱状改良工法では届かない場合に採用されます。
●メリット
支持層の傾斜や起伏に対応が可能で
鋼管の貫入が完了した後に地盤を乱す事がないので高い支持力を得られます。
また、乾式工法の為、地下水脈などが問題になりにくいです。
柱状改良工法のように養生期間が必要ない為
すぐに基礎工事に着工できる事もメリットと言えます。
●注意点
支持層まで打ち込む必要がある為、軟弱層が深く支持層に届きにくい土地では施工できません。
また、圧密沈下の大きい場所(盛り土整地など)では
建物は沈下せず周囲の地盤が下がってしまい
杭の抜け上がりが起こる事もあります。
更に、他の工法に比べると施工費が高額となりやすい工法です。
🏗地盤改良工事の費用目安
○表層改良工法
地盤改良工事の施工面積1坪(3.31㎡)当たり3万円程が一般的な費用になります。
工事期間はほとんどの場合1~2日で完了します。
※30坪の建物の場合90万円程になります。
○柱状改良工法
地盤改良工事の施工面積1坪(3.31㎡)当たり4~5万円+α程が一般的な費用になります。
工事期間は30坪程の家であれば2~3日で完了します。
※30坪の建物の場合120~150万円程になります。
○小口径鋼管杭工法
地盤改良工事の施工面積1坪(3.31㎡)当たり5~7万円+α程が一般的な費用になります。
工事期間は30坪程の家であれば1~3日で完了します。
※30坪の建物の場合150~210万円程になります。
土地条件によって価格は大きく変わってきますので
上記はあくまでも目安として覚えておきましょう。
🏗まとめ
いかがでしょうか?
地盤が軟弱な土地に家を建てる際は、地盤改良工事が不可欠です。
そして地盤改良工事が必要かどうかを判断する為
地盤調査を行う事が法令によって義務付けられています。
土地の状態によってはリーズナブルな工法で済んだり
工事自体が不要となる場合もある為
事前にハウスメーカーや施工会社など専門家による調査を依頼しましょう。
同じ地盤改良工事でも、それぞれの施工内容で最適なケースやメリットが異なり
注意点や費用面の違いもあります。
手間やお金をかけたくない方はあらかじめ地盤の強固な土地を見つける方法もオススメです。
地盤改良工事の要・不要の決定、あるいは工事を行う場合の工法の選定など
100%とはいかなくとも、ある程度納得した上で進める事が大切です。
テンダーハウスでは、大工経験のある一級建築士管理のもと
自社一貫で設計・施工を承っております。
また、月に1度の無料相談会も開催しておりますので
これから住宅を建築する予定の方、ご自宅の地盤に不安がある方がいらっしゃいましたら
お気軽に松戸市の建築士事務所 テンダーハウスまでお問い合わせください。